[部屋を出た後、直ぐに出てこないジーク殿に疑問を抱いたが、私は彼が出てくるまで廊下で待っていた。部屋の中での会話は、声を荒げない限りは外へは漏れ出て来ない。だから、彼らが何を話しているか、何も聞こえては居なかった。少ししてジーク殿が出てくると、彼は私に声をかけてくる>>279] えぇ。[帰ると言う彼の微笑を受けて、私も笑みを返して頷いた。私の部屋は兄とは屋敷を挟んで正反対の棟にある。客室等もそちらにあるため、私は彼と共に別棟へと戻って行った*]