がっはっっ…!?[体に走った痛み>>282。鮮血が幼馴染の体を赤く染める。心臓から下腹部までの豪撃だ。本来ならば即死の傷を受けてそれでもまだ意識は存在していた。よく見れば再生しようと体が蠢いているのが見えるだろう。最もそれは遅々と再生であり、それまでに命の保証などないようなものであった。伸ばした手は、落ちてきた便箋をかろうじて指と指の間に挟み取る。僅かに血で赤く染まった便箋は、彼が吸血鬼になる前、よく見慣れたものだっただろう。彼の妹からの手紙]