[すっかり冷めてしまったコーヒー。
自身を落ち着けるように口にする。]
まあ、そうっすよね。
[へらりとした笑みを作る余裕もなく、疲れたように相槌を打って。
しかし、スノウの措置にしても決めるのは自身らである。自身らが、しっかりしないことにはどうしようもない。
女には、何の策もまだなかった。]
アタシも同じようなもんっす。
メインサロンにも行かなかったから、ほとんど誰も見かけてないんすよ。
…ああ、名簿、いるっすか?
[苦笑する相手には苦笑で返す。
名簿で残留者のデータは知っているものの、実際会ってはいないし、無事かどうかも知らない。
相手は名簿ももらっていないようだったので、連絡先を交換するついでに、名簿と顔写真を渡すことはできただろうか。]