「いれば、今もっと楽できただろうがな。 …あいつの堅実な手腕は、こういう土台固めで頼りになるんだが」[親父は仄かに、笑いを浮かべた。]「ツェーザル」「ひとは、誰しもが己が信じる道をゆく。 俺も、……あいつも」「おまえも──…後悔のない、自らの道を、見つけなさい」[そう告げた親父の表情は…信じる道を貫いたという親父の元同僚──チャールズという将の名と共に、よく覚えている。幼心に、そのような真っ直ぐな御仁に一度会ってみたいとも憧れたものだ。]