(………あ)[故郷を想いながら宝物を眺め、最後に見つけたのは一枚の紙](これ、私が書いた……っふふ)[幼い頃に書いた拙い楽譜。音楽については限りある書物で少しずつ学んだとは言え、感覚的な作り方が多かった時分。曲自体も紙一枚に収まる程度で長いものではない。懐かしくて、恥ずかしくて、楽譜の下の端を両手で持って、上の端を額につけて顔を覆った。不意打ちを食らったみたいで笑いが止まらない。しばらくの間、ずっと両肩を震わせていた]