[オクタヴィアスの声に我に返ったように兵が動き出す。死闘を繰り広げていた二人の周囲の兵も、北門で立ち往生していた兵も、果ては輜重隊や衛生兵などの非戦闘兵まで。砦に敵将が居るにも関わらず、手を出すことはせずただ砦の通過に無心する。クロイツへと視線を流す者も居たが、その瞳の意志の強さに手も口も出さず先へと足を踏み出した]