[何もない机の上を見ながらぼんやりしていると、突然頭を小突かれる>>225]
──!!
[ばっ、と勢い良く顔を上げてみたのは、ジムゾンの姿。]
……っと、ジムゾンか。
あ? あンなの世話のうちにも入らねぇよ。
[気恥ずかしそうにするジムゾンの顔を見て、男は口を歪めて笑う。
シモンに誘われた事を告げられればすぐに笑みは消えた]
いやまあそうなんだけどよ。
…あいつ、俺の事殺したいほど憎んでるんじゃないのか?
[と、真偽の程が定かではない奥様方の噂話は、男の中ではそこまで発展していた。
迷っていれば、促す声をかけてジムゾンが酒を持って食堂から出て行く。
シモンの傍にはリーザもいるだろうし、ジムゾンがいれば大事にはならないだろう。
男は暫く逡巡した後、ジムゾンの後を追った。]