おお?
その反応は予想して無かったぞ。
分かり切ったことだったかそうかそうか!
[好きだと言ったその言葉を冗談と捉えたらしい青年>>273に、呵々と笑う。
その『はぁ』は、『今更何を言っているのか』の意味では無かった筈だが、ガートルートの生涯通してあまり活躍する機会の無い脳味噌は、実に都合良くポジティブにその二文字を解釈した。
主を見下ろさせるな、と困ったような言>>274にもでれでれと目尻を下げるばかりで、当の本人はその噛み合わなさを全く意には介していなかった。]
はは、
気を遣わんでもいい、お前はそのへんの獅子より重くは無いし、これは俺がしたくてやっている。
[その辺の獅子、がどの辺の獅子なのかは人間である青年には全く伝わらなかったかもしれない。
抱き上げた身体を、自分に押し付けるように抱き締める。おとがいや頬に銀の髪が触れると、また鼻先を擦り寄せた。
そのまま、青年の希望などお構い無しに建物の方へと足を向ける。]