[屈指の観光名所の一つである神社へ続く道、観光客や修学旅行生が歩いている。右見て、左見て、もう一度右を見て] ……うん。 ――…二人きり、ね。[最後に兄の横顔を見上げて、そっと微笑を漏らす>>282] …へぇ、そうなんだ? 随分と詳しいのね、幸兄。 たまたま先に辿り着いたにしては。[インプットが得意だからかな、と揶揄しながら。詳細な兄の説明に見当たらなかった名高いご利益、――下調べの及ばなかった自分でさえ知る、一番の謳い文句が抜け落ちていた意味を、さりげなく横顔に探す]