― 現実世界・酒場 ―
あぁ、休暇だよ。珠の休暇。
半年前……か。
[他に仕事があった――のに、急く気持ちは何処にもない。
仕事上の付き合いしかないけれど、バー以外でも追いかけはしていたのだ。
例えば出勤前の駅や、朝の帰り道などで。]
俺の知らない間に、転職でも?
[そちらは? と問う。>>282
記憶に残るテノールは変わらない。 かわっていない。
メニューから視線を離し、カウンターに腕を置く。]
……任せるよ。
[決まって、1杯目はビールだったのに。
それすら今は、どうでも良かった。*]