―王の間へ行く道すがら―
[人型に戻れば、目があからさまに酷く落ち込んでいますと訴えてきて、たじろいだものの今は、と内心首を振って押し留める。>>283結果として、更に歩みが遅くなってしまったが……。
疑問に素直に答えてもらえるとは思っていなかったが、
はぐらかす様子に眉を顰めるのを止められない。
自分の脇を抜けて去る彼が、未来を暗示しているようで]
カレル!!
[叫ぶが、彼は振り返ってくれただろうか。振り返らなかったとしても、肩を掴みその歩みを止めただろう。]
俺の幸せはお前と共にある事だ。それは譲れない。
……けれど、お前が何処かで自分のなすべきことをしたいのなら、止めない。けれど、お前が納得する日が来たのなら、俺の元へ足を運んでくれ。
[それが、自分に出来る精いっぱいの譲歩だった。
永遠の別れになるかもしれないが、彼の負担になるかもしれないが、伝えておきたかった。自分の身勝手さを嘲笑いたいが、止められない。]
それまで、この言葉をお前に贈るよ。