―― 回想 / 副艦長室 ――
[荒げられる声に、一瞬、言葉を失って。
困ったような顔をして、ぐっと眉を寄せる。
バケモノだと知られることへのためらいはあった。
けれども、それだけではなくて、
もしエインヘリャルの生き残りの命の短さを知る者であったなら、
もしかしたら、ひどく案じさせてしまうのではないかと、
そうも、思っていたから。
先程、部屋に戻れと命じられたときのこと。
それから、第一エリアで。
髪に触れられるたびに、どうしたって案じられていることは感じてとれてしまうから。>>248
噛み締められた唇、嘘吐きと荒げられた声に返す言葉もなく、拳をぐっと握りしめる。]
……ごめん、
[ぽつり、言えたのは、それだけ。]