― 魔王城・大広間 ―
[中に入ってからもだが、入る前後から周囲の喧騒などはほとんど耳に入ってなかった。
考え事と、転ばないように歩く事ばかりに気を取られ冷や汗を掻いていたおかげで、悲鳴や周囲の異様な光景を殆ど知る事なかったのは幸いといって良いのやら。
>>141銅鑼の大きな音にはさすがに気づき、顔を上げて視線が流れる方を見る。
扉から出て来たのは、奇形な人とその従者。
一度見て、瞬いてから半目になった。]
裸の男を連れて回るとか趣味が…
[隣にいた男に聞こえる程度に、ぼそりと呟いた。
>>198視線を向けられると、意をくみ取ってゆるく首を振る。]