[火炎壺をいくつも浴び、自らも炎を発して燃え上がる旗艦から、飛び降りてくる影がある。混乱している部隊の間を突っ切って駆けてくる騎馬の主には、見覚えがあった。] やっぱり、貴方か。 ───ユレ先生。[今の彼は、学館で生物学を教えていたころとはかけ離れているはずなのに、なぜか、纏う風に同じものを見た気がして、ぽつりと呟く。]