[“サーラ”と、懐かしい名を、呼んで貰えれば。一番呼んでほしかった人の唇の紡ぐ響きに心の奥底が揺さぶられる。空色の瞳に映るローの姿が、みるみる滲んで揺れて――…零れ落ちた。] ――――…っ、…ありがとう。[今はもう、誰からも呼ばれることのない名。忘れ去られるだけの存在。きっと――…この先の孤独な一生でも、ずっと。]