[男が甲板に辿り着いた時には、彼らが対峙し、言葉を交わしている最中だっただろうか。息を整えつつ、男は銃口を砲術長…兄の親友に向けて叫ぶ。]砲術長!貴方は兄の親友だったのではなかったのですか!何故ローゼスを裏切るような真似をするのです。――まさか、貴方が兄を、[いつからだ。それとも最初から兄を騙していたのか。親友の顔をして兄や周囲を油断させ、軍に溶け込もうとしていたものの、兄が邪魔になって…。混乱のあまり、そんな想像にまで至ってしまった男の瞳には殺気が宿っていた。]