[シモンが薪を運んでくる。手伝いには村娘のパメラ。………それにどういういきさつか、先程のお客さんである商人、アルビンだった。]
毎度ありがとうよ。それにお客さんまで。
あんたももう村の一員だねえ。
[そう言って笑う。
アルビンが気づく由もないのだが、シモンだけでなく、パメラも幼い頃にこの村にやってきた。
なにもない、気候が穏やかなだけの村に見えるが、そこに住む一人一人には様々な事情がある。
宿に泊まる宿泊客一人一人もそうだ。]
(あたしもそう。
………それに、この村もそうさね)
[ふと、そんなことを思う。
らしくない、とレジーナは思い、それ以上は考えなかった。]