[通信を終え、確約が成れば彩光弾が空へ撃ち放たれる。
蒼穹に彩を鮮やかに広げるさまは、いつかの花火を思わせた。
少しの間、それを視線で追って、]
ソマリ、退け。あとは追わん。
戻って兵を纏めてくれ。これ以上の犠牲は無意味だ。
退いて、そしてあとで───…
……また、会おう。
[これまでに言えなかった言葉を告げて笑った。
かつては簡単に言えた言葉だ。これからも言えればいいと思う。
兵を呼んで、停戦の旨を伝えた。
ついでに包帯を持って遣させれば、ひとつをソマリに放りやる]