[義父への弔意を受け取れば、
馬上の敵将に据えた翠色は僅かに瞠目し、和らいだ。]
…丁重なお悔やみ、傷み入る。
生前懇意にしていただき、故人も感謝していたでしょう。
……あなたのことを、義父は好ましく思っていたようでしたから。
[視線を逸らすことなく、事実を粛々と述べる。
飄々としたところはあるが、あれは善い青年だと、
彼の名を何かの折に耳にする度、頻りに褒めていた。
ダーフィトと義父の関係が20年も前からのものであり、
チャールズと義父との繋がりの一端でもあるというその奇縁は、
彼らに纏わる事情ゆえかエドルファス自身は聞くことはなかったのだが。]
…… 出来ることなら、会いたくはなかった。
[音にはしないこれもまた、偽らざる本心だ。]