[そういえば────… あったあった。
畑の手入れをしていたところ、ひょっこりと丸い影を見つけて、しかもシャクシャクと小気味よい咀嚼音も聞こえてきたので、動物でも迷い込んで来たのかなぁと思って近づいてみたところ……チシャを夢中でかじる子供>>273がいたのだ。
あんまり美味しそうに食べているので、思わず少しの間、声をかけずにそのまま眺めてしまったくらいだ。]
おーーーい。
そこのネズミくん。
食べたいのならあげてもいいけど、ねぇ。
勝手にじゃなくて、ひと声かけてからにしてほしいなぁ。
[すると飛び上がって驚いたので、ちょっと悪いことをしたかなぁと、男は人のよさそうな顔で頬を掻いた。が、勝手に食べるのはやはり良くない。作物をひとつ作るには、多くの努力と時間が必要なのだ。]
次からは気をつけないとぉ────…
[にこーっと笑ってみせる。その場合は、畑仕事の楽しさを存分に味わってもらうつもりだった。*]