――夏の納涼会――
[生徒会に企画を提案したのは、誰だっただろうか。
ただ会を行うという段階では、大賛成だった。
だが。肝試しという話になった途端、会長が慌てだしたのに不審を感じた者もいるだろう。
結局“そういう催しがないと”という声に押し切られ、肝試しは開催されることになった。
だが、困ったことに、この怖がり生徒会長は参加はおろか、仕掛ける側に回ることすら出来なかった。
結果、心霊現象やそういう類の話が苦手というのは、生徒会内部にはバレてしまった訳だが。
他にそれを知る者は、おそらくその現場を見た者か、普段から懇意にしている者に限られてはいることだろう。]