[そう、タチアナの名は自分の祖母のもの>>281。
自分にとって祖母は厳しくも優しい“家族”であり――彼は何だ。愛しい?そんな混乱を起こしかけるが、窓から見える風景を見ればたしかにここは自分が幼い頃を過ごした“我が家”だ]
……君は、何?
[目の前の少年のもどかしさには気付かぬまま、先程からの疑問を口に乗せるけれど。答えが返る前に聞こえたお願いに、微か目を開く]
ばーちゃん、が?
[祖母が最近体調を崩しがちなのは知っていた。けれどそこまで悪いなどと…いつの間に。慌てて身を起こそうとするけれど、先程まで目を開くのもやっとの状態。寝かせられた馬車の椅子から転げ落ちかけるのみで足は自分の体を支えるまでの力はない]