[仄暗い灯りの下の緊迫感が、どこか心地よい。
ああ、静かだなぁ…と、頭の芯がすっと冷えていく感覚がする。
こうなるともう、躊躇わないで済むのは経験から知ってる。
殺せる――…いや、殺す。
沈黙を纏う薄暗がりの向こう、淡い光の下で、
辺りを見回していたタイガの瞳の色が金色から赤に変わり、
すうっと細まる>>269。
その変化に、ざわっと全身を悪寒が奔り]
フィオン、離れてろっ!
[叫んでフィオンの方へ走りながら、
額を狙った銃口の先はそのまま、引き金を引いたが。
定まっている時程の命中率には、ならないだろう。
疲労した貧血状態の身体では、走るのもままならない。
タイガが反撃するようなら、避けられないかもしれない。
というのは、頭の何処かでは意識していた]