[その笑顔と明るい声が怖いです。
俺のこと、どうするつもりなんでしょう…
びくびくしながら、にへら、とぎこちない笑みを浮かべる。
でも、好都合だ。
ローさんは多分俺がどこまで見たのか、見たなら消さなくちゃとか考えているのかもしれないけど。
そんな心配ご無用だよ。
周りに人がいないことを確認して、]
隠しても無駄だし、隠すつもりもないから言うけど。
そうだよ、ローさんがアデルって人をおそ…喧嘩してるのは見ちゃった。
[素直に言えば、彼はどんな反応をしただろか。
「誤解しないで!」と慌てて言葉を続ける。]
俺、『人狼』のこと隔離や排除しようだなんて思ってないよ。
むしろ、『人狼』…『ガルー』にはチグリスに無事辿り着いて欲しい。
だから『人狼』が無事生き残るための手伝いをさせて欲しいんだ。
[ぐっと拳を握りながら小声で、でも熱い想いを込めて伝えれば、その想いはローさんに届いただろうか。
信用できないようであれば、『ガルー』を用いたワクチンの可能性について熱弁しただろう。]