―片翼・メレディス隊―
「……はは、なかなか威勢のいい事…。」
[優男と称される面を歪め、メレディス隊はシュビトの裏手にある街から撤退する。
元々相手側が長期の戦闘を想定されていなかった事が功を奏した。
機械弓に矢を番えるには人力よりも手間がかかる。
危険を承知で数騎が特攻し、幾つかを破壊したがその分犠牲も出ていた。
白馬を操る指揮官たるメレディスもまた、左肩に疵を負っていた。
副官の馬が機械弓の矢に穿たれ、落馬したのを救おうとして負った怪我だった。
けれど結局――落命した副官らの亡骸はそのまま放置していくしか出来なかったのが悔やまれる。]