― サクソー川:橋の北西ほど近く ― ……無論、貴君に。 [間近で見れば違えようもない。 その姿、その声、敵将として立つその人が 州都においての知己の一人であることを。] … ダーフィト・エイワズ殿。[名をなぞる声色と表情に滲む苦味を自覚する。 弓騎兵隊は全てエドルファスが州都に居たことを知るヴィダンの者だ。 敵将の言葉にも表情を動かすことはないが、ただ、ダーフィトの率いた一隊の卓越した用兵を目の当たりにし翻弄された彼らは弓番える手に多少の迷いが乗るようだった。]