― 夕刻・シコン港 ―
[二人での意思疎通は、心話に頼るまでもなく安定のものだった。
見ているもの、目指すものが同じなのだ。
おかげで独断専行と見える行為ばかりになって、既存の官職に収まりきらず、扶翼官なる地位を戴くことになってしまった。]
振る舞い会はいいですね。
どうせなら、ウルケル軍の人間も呼んでやればいかがです?
[言ったのは、あながち冗談でもない。
実現が難しいことは承知しつつ。]
アンディーヴ卿には、こちらで待っていただいております。
[会いたいという皇帝を、会談の場へと案内した。]**