―市街区―
[背後が崩れたラムスドルフ隊を追撃。
後方からの撤退兵を合わせ、残存兵の殲滅があらかた終わりかけた頃。
――アリー隊からの伝令による知らせに、愕然と瞠目する。>>224>>264]
ラウツェニング准将、戦死…
リエヴル・ド・トゥーレーヌと、相打ち、だと…?
[思いがけないもの、と言ったら、おそらくは嘘だったかもしれない。
涼しげな顔で『戦争の終わった後の未来』の話をしていた姿を思い出す。
……ならば、あの時には彼は、この未来を予測していなかったのか。
そう思うにはあの笑顔は完璧すぎた。
――既にすべてを、覚悟してでもいたかのように。]