[ゾフィヤに対して頼んだ。あいつらを纏めて少しの間だけ足止めしてくれ。と、彼女に引き受けてもらい、空を舞う。
どんどんと加速するように翼から火を吐くエルナト。鋭角な軌道を描き旋回。
風圧に耐えるように身を低くするものの、今回はというと、前回の試験ではいらないだろうともってこなかった風圧に耐えることのできる魔道具も首から下げている。
元々一対ではなく二対の騎竜師関係であったエルナトとソルベ。前回の騒動で得られた経験は連携だ。だからそれを披露するのが筋だ。ということにした。決してそのほうが楽できるからということは―――ある。
速度が更にのり、破壊的な振動音が空気を介して伝わる。
そうなったエルナトを誘導するのは俺の役目だ。そして誘導した先、氷雪の力をつかって動きが止められている妖魔がいる。
その中心部に、エルナトは落下し、大地を揺るがすような音が響き、衝撃波が周囲に巻き起こりその余波で消し飛ばされていく]