― 食堂 ―
[3人で、と考えたところで昔の事を思い出す。
軍人になると告げた後のある日、シモンとジムゾンと男は一つの卓を囲んで酒を呑んでいた。
その席で酔ったジムゾンがぽつりと本音のような言葉をこぼす>>207。]
そういや言ってなかったっけ?
俺の親父も軍人だったけど、最近二階級特進したらしくてさ。
まあ、お袋の事もあるし、流れみたいなもんだ。
[>>211シモンのように深い考えがあったわけではない。
男の母親は数年前から病気で街の方の病院に入院していた。
治療費は父親が賄っていたが、殉職してからはそうも行かず、
軍からの見舞金もいつまで持つかわからない。
ならば、と。
男も父親と同じ様に軍人になり、入院費を賄えば良い。
人を殺す事に抵抗が無いわけではなかった。
というよりも、戦争の名の下に人を殺す事を、この時は深く考えていなかった。]