―回想・礼拝堂 ―
あ…ッ
[>>279 てっきり差し出した手を取り、また何事のなかったように車椅子に座って。
きっと、あの人の所へ行くのだとばかり思い込んでいた。
だからまさか手を捕まれて、そのまま床に倒されるなんて思っても見なくて。
気がついたら目の前に、初めて見るリエヴルの真剣な――炎のように赤い瞳があった。]
……うん、ある。
[驚きの方が大きくて、答えるまでに少し時間がかかったかも知れない。
声が出るまで揺らめく炎のような赤に釘付けになっていた。
1つめの問いに答えたのは、やっと兄との約束を思い出したから。
すぐに答えることが出来た。]