[辺境伯との戦いで、解放軍も無傷というわけにはいかなかった。
中でも、恐るべき巧妙さで一撃離脱を繰り返し、こちらに大きな出血を強いた部隊がいることを知る。
馬上より錘を操る髭の偉丈夫だとの報告に、思い当たる人物がいた。
名将として鳴らし、国の守りの要として国境線を任されていたいた人物で、その能力は父クレイグ侯も認めていた。
とはいえかつて一度だけ将軍を目にした少年が抱いた感想は、「へんなやつ」というものだった。]
ウォーレン・コリドラス、か。
[個人的な感想はともかくとして、それだけの歴戦の将が相手にいるというのは心しておくべきことだった。]