― 祭の翌朝:村はずれにて ―
[約束通り公演を観にきてくれたギルド長ら村の人々への礼も兼ねて、一際賑やかに執り行った最後の公演は、大成功に終わった。トリを飾ったフラメンコを踊る人形にはアンコールがかかったし、おひねりだっていつもよりずっと多い。
これなら暫くの旅費には困らないと、頬が緩む。
宿へ戻れば白猫との約束を果たし、翌朝には荷物をまとめて。]
次の街へは……、列車で行こう、かな。
……七年前の、あの日みたいに。
[隣町へ向かう列車に乗ろうと、大量の荷物を抱えて村を発とうとしたそのときのこと。]