[――が、する気は無いという意思表示に、すぐに下ろして鞘へとしまった。仄かに笑う気配が、闇に滲んだ。]「だが生まれるものは、 禍根だけでは無いと… 夢見る俺は、阿呆かな」[これから反乱に組し、現主君を裏切ろうとしている自分が、何を世迷いごとを…というのはターリス本人も自覚している。それでも、今の言葉もまちがいなく、彼の本心だった。(手を取り合う未来が何処かにあれば……)今だって、反乱しか本当に道は無かったのかどうか――……。其の答えはもう、誰にも、分からないけれど。]