― 礼拝堂 ―[ともに傾く体。ゆっくりと角度を増す床のライン。いつもの流れは、ほんの少しその形を変えた。まるで、なにかの意思が通じ合ったかのように。床につく寸前、ジークが体をずらす。十分な形で押さえこめないと悟った瞬間、受け身をとって、すかさず立ち上がるよう動こうとした。剣なくば殺せない。―――剣を手放さなかった理由は、それだけではない。そう、気づくことはなく。]