――宿屋の二階・受付→個室>>274リヒャルト[部屋に戻ろうと背を向ければ、神父は立ち去る背中に言葉を贈った。] …………。[『また、明日。』 それは至って普通の挨拶。>>275 社交辞令とも取れるその言葉でも、エルフの耳にはそれ以上の尊さを帯びて届く。未だに赤く染まった耳を力なく垂らしながら] ありがとう……。おやすみなさい。[ただお辞儀を返すのみ。 同じ言葉を返せないことを心苦しいと感じながらも、エルフは部屋へと消えた。*]