[背後から近づく気配に、魔王は身を捩るように振り返る。 ――実のところ、全ての動作に"溜め"が必要な魔王の術は、咄嗟の防御には向いていない。 それが必要な状況に追い込まれなければよい、という流儀であり、今の今までそれが成立していただけのこと][果たして、振り向いた魔王が目にしたのは、閃く切っ先と――] 我が背後に立つとは、油断も隙もないものであるなあ――?[左右で色の違う眼光が、カヤの姿を認め煌々と輝いた。 その右手が、カヤの立つ方向向けて伸ばされ]