[ …逢いたい、と願ったところで
それがそう簡単に叶えられるはずもない
ロー・シェンは一介の学者でしかなく
ソールやサーラは砂漠の星の王族だった
そもそもあの遺跡で出会えたことすら
「奇跡」と呼べるほどの確率だったはずだ。
幾ら約束を交わしていても、
まるきり同じ場所で再会できる保証は、無かった。 ]
[ もし、再会できたとして
ロー・シェンの名を独特のイントネーションで呼ぶ
空色の瞳の妹のことばかり考えていたと素直に言ったら、
兄の方には呆れられてしまったかもしれない。
そんな「もしも」の事ばかり考えていた時、
王宮では当人が似たような理由で>>191
実の兄から揶揄の言葉を受けていたとは当然知る由もなく。 ]