>>269形
確かに、薔薇が王子の旅の間もずっと無事だなんて
……確証はなかったな、盲点だった。
[ 「また会えると思っていちど手を離したら」――。
繋げられないのだろうか、俺は。もう二度と。
ゾフィヤの言葉にぞっとしてしまう自分に気がつく。]
でも、帰るってことは、信じてたんだろう…と思う。
王子は帰った後に薔薇に会えるし、ぼくはそれを信じているよ。
せめて夢物語の中でぐらいは、全てが都合よく働いたって
誰も罰なんて当てないさ。…多分。
[ 怯える自分をなだめ、言い聞かせるようにこぼした返事。
彼女の笑顔につられるようにして微笑んだが上手く笑えただろうか。]
はは…ありがとうな。