……いや、うん、なんか苦労してそうだなぁ、なんて思ってたしね。
ましてやサシャは……望んで、声が聞こえるようになった訳じゃなさそうだったし?
[彼女の契約者>>270。
そして彼女を妹と呼ぶなら、目の前の彼が兄であるとはすぐに想像つく。
おそらくは夭折したのだろう。
もしかしたら、彼女の願いもそれに関わることなのかもしれない、などと想像しながら、ほんのわずか、眉尻を下げる。
天真爛漫で、まっすぐな彼女は。
魔女の世界から排除されるべき人狼とは、正反対の存在に思えた。]
助けたってよりも……
その、うん、ただの自分のエゴだろうから、礼を言われるほどではないよ。
それに……結局彼女は脱落してしまったしね。
[少しだけ、兄と名乗った彼へ寂しそうな笑みを向けた。]