人狼物語−薔薇の下国

13 Chant 〜あなたを失い死を知った〜 SIDE:B


情報将校 ミヒャエル

向かってきた兵の数は何人ほどだっただろう、その肩越しに、ノトカーの構えた銃が見えた。
その銃口が光るのを見て、俺は何が知りたかったのだろう、とぼんやり思う。

《知りたい》その一心でここまで来た。

自分がかつて何を失ったのか、何を取り戻すべきだったのか、そこから知らなくてはならないと。
諜報の仕事を選んだことは確かだ、スパイと言われるのは間違っていない。

だが、帝国兵の上着を剥ぎ取って撤退する彼らの後を追ったその時、俺は何を知りたかったのか。

(280) 2013/06/22(Sat) 01:05:43

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