向かってきた兵の数は何人ほどだっただろう、その肩越しに、ノトカーの構えた銃が見えた。その銃口が光るのを見て、俺は何が知りたかったのだろう、とぼんやり思う。《知りたい》その一心でここまで来た。自分がかつて何を失ったのか、何を取り戻すべきだったのか、そこから知らなくてはならないと。諜報の仕事を選んだことは確かだ、スパイと言われるのは間違っていない。だが、帝国兵の上着を剥ぎ取って撤退する彼らの後を追ったその時、俺は何を知りたかったのか。