人狼物語−薔薇の下国

263 修学旅行試験


高殿 幸久 フェリクス


 ――…ああ、そうだ。
 琉璃、此処に来たのは一応もう一つ目的があるんだ。

[ふと思い出したように口を開いて仕切りなおす。
留まりたがる本能と、退きを命じる理性の合間で、
肩に乗せた掌が肩の丸みを辿り緩やかな摩擦。

彼女に示唆するのは本堂へ続く道すがらに建てられた御札授与所。
名残惜しくも、肩から背を撫で下げ指を引くと、
彼女を誘い、御守りだの御札だのが並べられた軒下へ。

当然御籤も在るが、妹にとっては苦い記憶が蘇る代物だろうか。
兄はそんなことを欠片も気にせず、七百円と引き換えに授かるのは、淡い赤色、彼女の色。]

 これなら、外しもしないだろう。
 三つもつけたりしないから、大人しく貰っておけ。

[秋桜を模る愛らしい御守りを差し出し、一日遅れて厄落とし。
案外現実主義者な男は、神仏の奇跡やら神秘やら全く信じていないが、この妹が気になるなら全く別の話と云う現金さ。]

(280) 2014/10/24(Fri) 00:27:51

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