ま、なんだ。
俺も人界のあれこれにかまけて、こっちに手ぇ回せなかったのは事実だし。
暴走した事、ぐだぐだ言う気はねぇよ。
……半分は、あんにゃろのせいだからな。
[あんにゃろのせい、と言った直後、視線がどこか、遠くに向いたがそれはすぐに戻されて]
……とりあえず、戻れ。
そのままじゃ、色々埒が開かねぇ。
[言いつつ、左の漆黒を黒狼へと向ける。
黒狼はふるる、と身を震わせた後、高く長く、吠えた。
合わせるように他の狼たちも天に向かって吠え――次の瞬間には、守護者の傍らに馬ほどの大きさの漆黒の狼が現れていた]