[構えられた長剣の切っ先に、白手袋の指を伸ばす。>>269それをつまんでしまえるほどの距離で、騎士の目を見つめた。] ――― 苦しいですか?[問いかけの声は、染み入るように穏やかで柔らかい。] 認められたい。 なにかを為したい。 そうでしょう? なにも為せぬまま、手からこぼれ落ちていくものを、もう見たくはない。 そんな表情をしていますよ。貴方は。[揺らがぬ視線は、心の奥底までをも覗き込むかのよう。]