― サクソー川/橋の北側を遠望して ―[馬を走らせること暫し。緩やかな起伏を越えると川の煌きが見えてきた。湿原に端を発し、平原の端を区切るサクソー川。唯一架かる橋の手前に、武具の列がある。] こちら側か。[目を細め、整然たる輝きを眺める。正規兵たちが端のこちら側に出てきたのが、解放軍にとって喜ぶべきことかはわからない。ただわかるのは、彼らがまだ戦意を失っていないということ。そして、橋を押し通るだけの戦いより、がぜん面白くなりそうだということだ。]