…これは父がやっていた魔法弾の研究の成果だけど、
最初に話した通り知人を仕留めるのに適している。
眼の色を知っている相手、ということだ。
殺傷力は弱いが、階級の高い相手であればあるほど
視力を奪えるのは大きい。
あくまで補助武器としてお渡しする。
[ ランタンを持った薄茶色の瞳の青年は、いま
何を想っているだろうか。
一通り説明すると、ノトカーも小さな溜息を洩らした。 ]
…あまり気持ちの良い武器じゃないよな。
迷った時は使わなくてもいい。
お守りみたいな気持ちで持っていてもいいんだ。
[ そう呟くと、複雑な顔をしているであろう彼に手渡した。
クレメンス・フォン・トライブクラフト伯爵の瞳と同じ、
美しいグリーンアメジストの魔法弾――。* ]