[オットーは――どこまでも平常運転で、そしていつものオットーだった。
無理をしているのだろうか。
疑う要素は――……あるといえばある。
“ニコラスは人かもしれない”そう言いながら、ニコラスの処刑を煽るようなことを言っていた>>191
それだけでは疑う要素とは言えない。
皆、どこかで彼女を人かもしれないと思ってはいるのだろう。
人狼である確信なんて、余程のことがなければ持てないのだから。
けれど、“人であるのなら、人であるからこそ”とはどういうことなのだろう。
貴方は、人だと思いながら彼女を殺すの?
こんなものはニコラスへ投票しない為の強引なこじつけに過ぎないと考えながらも。
胸の奥にあるたった一つの引っ掛かりは、フリーデルに端正な字で紙に“Otto”と書かせた。]