[翼のにーさん、と呼びかける暴風ダーフィトの声に、はっとして振り返る。] 君は──[ようやく、彼が声を交わしていた内のひとりであると、その容姿を認識したのだった。] …誰かと戦って血が足りないと言っていたろう、大丈夫なのか。[だが、自分の判断に迷いはない男だというのも汲み取れてはいる。行くというなら止めるのは無理だろう。眼差しに、生き延びよ、と想いをこめた。]