[と、彼なりのジョークを言おうと思案している最中、部下からの報告が入る。
《クレステッド様!ヴェルザンディ様!
申し上げます!魔王様のもとに、宣戦布告の使者!
使者は既に逃亡しました!捕らえたら魔王様の前に連れるようにと!
既にエトヴァルト様が追跡にあたっております!》
緊張感のある面持ちで報告する部下に驚くも、軽く礼をして下がらせ。]
……
[等と、賭けの材料を何にするか考えていた事を示唆して。]
あえて使者を逃したということは……どの程度の者か、力試し、ということか?
どうせ、こちらに来る前に人間どもには決起の情報を流してきているのだろう。ならば逃しても捕らえてもそう変わらぬな……
我々は対策会議の続きとしようか。
[この時、報告にローランドという名前が入っていなかったのは、ローランドにとっては僥倖だったと言えるだろう。使者がローランドであるということが知れては、クレステッドは直ぐにでも彼を追い、無慈悲にローランドの息の根を止めていたに違いない。]