足りないのか?[それだけでは足りぬ、そう言われたのだと思った。血が欲しい。誰のものでもなく、レトの血が。躯が欲しい。ぬくもりを欲した時、レトの顔しか浮かばなかった。そう、告げようとした矢先、逃げようと試みたのか、けれどそれに再び失敗した彼の姿を前にあの日――大浴場での姿を思い出して、少し噴き出してしまったり] 独りには、しない。 ――私と、共に生きてくれ。